2025-10-04 の注目論文

🧠✨ LLMは「解き方」を自ら発見できるか? LLMの推論能力は依然として課題だ。強化学習による改善が期待されるが、闇雲な探索は非効率。単に正解を教えるのではなく、問題解決の「定石」や「アルゴリズム」そのものをモデルに内在化させることは可能か?今、AIの思考プロセスに新たな問いが生まれている。

従来の強化学習(RLVRなど)では、LLMは正解に至る長い思考パスを生成するが、その過程は冗長になりがちだった。広大な探索空間で偶然正解を見つけるようなもので、本質的な「解法のパターン」を掴めない。これが学習の不安定さと汎化性能の低さという根本的なボトルネックを生んでいた。

今週注目の論文が "RLAD: Training LLMs to Discover Abstractions for Solving Reasoning Problems" (ID: 2510.02263) だ。核心は、まず問題から「解法のヒント(抽象化)」を生成し、そのヒントを元に解答を作成する2段階のアプローチ。まるで人間が「方針」を立ててから問題を解く思考を模倣している。

中心技術はRLAD、2つのモデルが協調する強化学習だ。まず「抽象化生成モデル」が解法の方針を複数提案し、次に「解答生成モデル」がその方針を頼りに解答を導く。これにより探索空間が構造化され、闇雲な試行錯誤が激減。学習が安定し、より困難な問題への汎化性能が向上した。

この革新はLLMを「戦略立案ツール」へと進化させる。科学研究や複雑なコーディング等、定石が重要な分野での応用が加速するだろう。今後はより高度な抽象化の発見や、人間にはない新たな解法パターンの創出が期待される。関連論文の詳細はアプリでチェック!